自分の心にそう生き方
私は、もともとあまり人と競うことに興味がないタイプです。昔から、誰かと張り合ったり、勝ち負けで何かを測ったりすることよりも、「私はこれが好き」「これが落ち着く」といった、内側の感覚を大切にしてきました。そして気づけば、自分のペースで過ごす時間の方が、ずっと心地よく感じるようになっていました。特に30代後半になった頃からでしょうか。「私は一人が好きなんだな」と、しみじみ思うようになりました。友人と過ごす時間も好きだけれど、誰にも気を使わずに自然の中を歩くときや、静かな午後にお茶を飲みながら本を読むような時間――そういう「誰のものでもない時間」にこそ、自分らしさがあると感じるようになったのです。違和感という小さなサインそんなある日、何気ない会話を耳にしたときのことです。「〇〇さんの奥さんって、医者らしいよ」「□□さんの家って駅近のマンションで、もうローン終わってるんだって」「△△さんの子ども、すごい有名校に受かったんだよ」聞こえてきたのは、誰かの暮らしや肩書きについて語る、日常的な会話。特別に悪口を言っているわけでもなく、ただ情報を共有しているだけ。だけど、そのときふと、心に引っかかるものがありました。「あれ?そんなに他人のことって、気になるものなんだろうか?」私にとって、その感覚は不思議でした。なぜなら、自分の人生を人と比べて考えることが、これまであまりなかったからです。他人の持ち物や暮らしぶり、家族構成や収入。そういったものを基準に「すごい」「いいな」と言ったり、逆に「まだまだだね」と感じたりする感覚が、自分にはどこかピンと来なかったのです。比べることで失われるもの私たちは、知らず知らずのうちに「誰かと比べる癖」を持ってしまっているのかもしれません。学生時代のテストの順位、社会に出てからの収入や役職、家の広さや乗っている車。最近では、SNSでのフォロワー数や「いいね」の数までもが、比べる材料になっています。でも、その「基準」って、本当に自分にとって必要なものなのでしょうか?よくよく考えてみると、私たち一人ひとりは、まったく違う背景を持ち、違う価値観で、違う道を歩いています。それなのに、他人と同じモノサシで自分を測ってしまうと、せっかくの個性や豊かさが、かすんでしまう気がするのです。
アスリートから学ぶ
アスリートから学ぶ「競わない強さ」勝ち負けの世界にいるように見えるアスリートたちでさえ、最終的には「人ではなく、自分自身と向き合うこと」の大切さを語ります。あるマラソン選手の言葉が印象的でした。「勝ちたいのはもちろんあるけど、最終的には“昨日の自分”に勝てるかどうか。自分の限界に挑戦することの方が大事です」この言葉を聞いたとき、「ああ、生き方も同じかもしれない」と感じました。誰かに勝つために生きるのではなく、自分の中の静けさや、納得感に向き合っていく。それは一見地味かもしれないけれど、とても深くて力強い在り方です。
自然とともに、心の声に従って私の場合は自然の中にいるとき、もっとも自分の感覚が冴える気がします。風の音、葉の揺れ、水の流れ。そうしたものに耳を傾けていると、心がすーっと澄んで、他人の目や評価がすっかり遠く感じられるのです。そういうとき、自分の内側の声が聞こえてきます。「このままでいいよ」「ちゃんと、ここにいるよ」「無理しなくて大丈夫」その声に気づけるとき、私はようやく「競わない自分」でいられる気がするのです。誰のものでもない人生を生きるもちろん、人との関わりをゼロにはできません。社会の中で生きていれば、誰かの言葉に揺れることもあるし、他人の目を気にする瞬間だってあります。でも、だからこそ、時々は立ち止まって思い出したいのです。「これは本当に自分が望んでいること?」「誰かの価値観に合わせていない?」「今、私は私の人生を生きているだろうか?」競争を手放すというのは、投げ出すことでも諦めることでもありません。むしろそれは、自分の感覚を信じて、誰のものでもない人生を、自分のペースで丁寧に選び取っていく、静かで強い決意のようなものです。—おわりに:やわらかく、自分に還っていく人と競わないという生き方は、最初は少し勇気がいるかもしれません。でもそれは、どこかで「もっと自分を大切にしたい」と思った人だけが、自然とたどり着く道でもあるように思います。風に揺れる草木のように、誰とも比べず、ただ「そこにある」ことの美しさ。自分の心に従って生きることが、実は一番の幸せへの近道なのかもしれません。今日も、誰かの基準ではなく、自分の感覚を信じて生きていったら良いのかなと感じています。
やわらかく、しなやかに。誰とも競わずに、自分の心と向き合ってどう有りたいのかと、自分だけの人生を。
自分だけの人生というのは、自分勝手とか自分のことしか考えないとかそうではなく、自分の心はどのような心でいたいか、その心でいられるのにはどんな日常や目標が自分にはあっているのか、人それぞれで良いと思います。
自分の心の観察をして生きてみるを紙に書いたりして向き合うのは良いのかなぁと思います😊